ロボットを作りたいと思っていた

園児とかそのころ、僕はロボットを作る人になりたかった。たぶん父の仕事に憧れていたのだと思う。父の仕事はどっちかと制御が専門のようなので、厳密にはロボットそのものを作っているわけではなかったのかもしれないが、まぁ園児にそんなことも分かるまいな。

そして僕はいつしか夢を見なくなった。僕は仕事というものをしたくなかったのか……いや、それは僕が今現在思っていることだ。ただ仕事というものが当時は想像できなかったのだろう(今もか?)。だから僕はXX屋さんに憧れた。とくにパン屋さんとお花屋さんだ。

なぜこの2つなのか。おそらく、楽だと思えたからだと思う。街のパン屋は小さい。パンを焼いて客に売るという単純さが分かりやすかったのかもしれない。花屋も同じような理由だろう。花が好きな母にいくら教えられてもその種類を覚えることができなかったけど、花はきれいだ。

今現在僕はロボットを作りたいだろうか。世界トップの日本のロボット技術を見て、あるいはアマチュアのロボット制作者を見て、僕はまったく、作りたいとは思えない。関わりたいとも思えない。それはあまりにも僕が理想とするものに遠い存在に思えるからだ。もちろん、それは僕の抱く勝手な妄想だ。技術は積み重ねられていくことで理想に繋がる。

今は無骨でも将来必ずメイドロボは完成するだろう。……と、結局いつものところに戻ってきたところで糸冬。