持っているもの
たとえば、僕は今22歳。ずいぶんと若いと思う。
自分が持っているものなんて何もないような気がする。僕が考えるレベルでは、の話。
何かを失うのではないかと臆病になってしまうほど、大事なものは持っていない。
失うとするならば、僕という存在そのものだ。それだって、僕自身にとっては、もしかしたらどうでもいいこと。
僕がいなくなって悲しむのは僕ではないのだ。
何かを持っている人がどれだけいるだろう。
持っていると感じられる人はどれだけいるのか。
僕は何を得れば満足するのか。満足とはゆかないまでも、安心できるのか。
僕は本当にまだ若いので、何も持っていなくても当然で、今後何かを持つことができるのかと考えたって、それ自体むなしいような気もしてくる。
僕がこのまま生きることで得られるもの。
そんなことを考えるなんて、意味のないことなんじゃないかという気がしてくる。
何も得られないし、得ても安心なんてない。
それでも今楽しく、心地よくいられるかと言うと、そうではない。
何も得られないのだと思っても、焦る心は止められない。
何も考えたくないと思っているのに、考えないでいられない。
不透明だから不安になる。いくら考えても透明にはならない。
安心できるとすれば、それは時間の隙間にしかない。限られたひと時しかない。
だから僕はこのまま行き続けるより他にない。
でもこのままの自分では、本当につらくなったときに自分を守れないような気がする。
そのこともまた不安だ。もしかしたらそれがいちばん不安なのかもしれない。