やっちゃったよ
一番読みたいと思っていた物語を、一番読んではいけないと思っていたこの時期に、僕は触れてしまったのだ。
一番読みたくなかった。それは僕らの現実にとても近く、また現実とは果てしなく遠い物語だ。
その物語は僕に、ああしろとかこうしろとかってことを一切を言わず、また連想させず、きっかけさえも与えてはくれないのだった。冷たくなくて、温かくもなくて、僕はやはりいつもどおりなのだ。
衝撃もない。もちろん語りや見せ方の上手さというのには、少なからず感心するとこがある。でも特別ってわけじゃない。
僕にとっての特別じゃない。だけど僕はこの物語を一生忘れることはできないんじゃないかと思う。いや、もしかしたらすぐに忘れてしまうのかもしれない。
もうダメかもしれない。僕は自分を引きずって生きていくしかないのだ。なんてことだろう。つまらないことだとも思わないし、嫌なことだとも思わないのだけど。
とりあえずありがとうとごめんなさいを言っておく。自分に。
時間というのは流れていくのだなぁと、つまらないことを思います。