求道の人

もう正しくあろうとする気持ちさえなくなり、僕は平気で差別をし、他人の憤りに無関心になる。これが歳を取るということかと、大人に責任を押し付ける。ごめん、これは僕の怠惰なのに。

だけど心を守るにはもう他人を蔑ろにするしかないんだ。それを僕はほとんど信じてる。五割くらいだった気がするのに、今は九割信じている。きっと根のほうでは完璧に信じている。僕は生きるために。