とつぜんに

たとえばひとつの言葉から連想して文章を書き始めてみる。僕は特に理由もなく(おそらく焦りから)、何か文章を書きたくなることがある。

僕の書くものと言ったらたいていがそのような感じなので、何か気負ってまとまった文章を書こうと思うと筆が止まってしまう。まず書き出すとき、僕は書くことなんて無いという表明から始めなくてはならない。それはたんに、手を動かし始めれば物事は進むとか、そういうことと同じなのだろうと思う。しかしなんにせよ、僕は本題を書かないで済ますことができるなら、そうしたいと思っているようだ。

文章は読まれるものではないと僕は思っているのかも知れない。より多くの人よりも、そういうふうに思っている感じがする。僕の書いた文章は誰に読まれることもなく置かれる。それでも僕はこの文章を作るという作業だけで、文章を書くということが好きでいられる。

そういう、作業そのものを好きだとする感覚は良い面もあれば悪い面もあるなと、仕事帰りに思った。日本人は伝え聞くところによるとそういう傾向が強いらしい。

もちろん僕の怠惰さは、作業の楽しさを上回るから、結局のところ僕は作らずにその辛さだけを吐くことになる。辛さというのは人それぞれだから、僕のこの辛さがいかにばかげているものであっても、他人の誠実な辛さとも同じ重量を持っているはずだ。もちろんそんなこと信じていないけど、まぁなんにせよ思い悩む時間というのは時計の上では同じ長さ。そして、思い悩むことが事態を進展させないこともまた本当のことだと思う。僕の悩みであっても、誠実な人の悩みであっても。


僕はとりとめなく長い文章を書くことが(も)できなくなってしまった。たまに気が向いたとき書けるくらいで。僕はもっと書きたいような気がするのだけど、それだったらもっと意味のあることを書きたいと思うし、なんなら何も考えずに本を読んだり寝ていたりしていたいと思う。

その件については今後どうにかしていきたいと思う。どうにかなるだろうという気さえなければ、僕は書くことそのものをやめるだろうから。


書き終わったらシャワーを浴びようと思う。いいかげん新しいスーツも買いに行かないといけないんだけど、めんどうだなぁ。


恋愛について書こうと思うことがよくある。でもそんなこと書いても言い訳になるだけのような気がするし(何に、誰に対しての?)、楽しく書ける自信もない。

たとえばゲームをやっていると、男女の恋愛というのは本当に自然なことのように思える。もちろんお話の恋愛を自然であると感じている僕の恋愛観が自然ではないのかも知れないけど。ただ思い合う男女が(まぁ男女でなくてもいいんだけど)、お互いを求めるというのはごくごく自然なことのように思える。

と同時に僕自身の生活を振り返ってみれば、そのような自然さとはほど遠いところにいる。もちろんそれだって僕にとっての自然だ。その自然がよくなかったのかも知れないけど、それで不自由があったわけではない。そして今僕は恋愛不自由になっているわけだけれども、

こういうことを議論し始めると反論としてあるのは、恋愛なんて必要がない、という意見なんだけど、やはり僕にとっては恋愛というものもごく自然なもので、もちろん僕も求めてやまないものだ。しかしそのように反論する人の思う恋愛の不自然さよりも、僕の思う恋愛の自然さの方が、よっぽど不自然だと感じる。つまり、モテない同士で恋愛のことを語っているときに、よりリアルに恋愛について語れるのはいつも僕ではない相手なんじゃないかってことだ。それは、たとえば女なんてクソ食らえっていう意見の方が、僕の持っている女性へのあこがれよりもよほど現実的だっていうことだ。別に貶す方がより自然だというのではなくて、僕の女性へのあこがれはやっぱりたんに自分へ帰って行くただのナルシシズムだろうと思うのだ。もちろんそれも自然なことだと思うし、この社会での自然というのがすなわち不自然なのだから、まったくなにも心配なく自殺者は増えていくのだけど。


こうやって書いていると僕の文章レベルも変わらないなぁて思う。もっと成長できるものだと思っていたのだけど、期待ズレしてしまった。もちろんそれは僕の怠惰が(以下略。

ちゃんと思い悩むことよりも、この不快感はどこから来るのだろうという気持ちの方が先に来てしまうことが多くなってきた。僕が何かを深く沈むように考えるのは、たいていの場合風邪のひきはじめとか、そういう体調不良の兆しでしかないような気がする。し、実際にそうなのだろうとも思う。何が実際的な問題があるわけではなくて、僕が楽しく生きられないのは体調が万全ではないからで、歩いていないからだ。げんに、僕は体調が万全で歩いているときは、特にうれしいことがなくたって人目も気にせず歌ったりしながら歩きたい気持ちになる。


たぶんこうやって書いているのも喉が痛くなりはじめて軽く風邪気味だからだ。汗をかいてそのままにしているのが悪い。それにしてもスーツどうしようか。