ひとこと

私のこの好意が、本当に世間で言われるような他人への好意と同じものなのかどうか分からない。もしかしたらそれよりもずっと、独りよがりで気持ちの悪い感情なのかもしれない。もしかしたら、すごく正しくて馬鹿げた感情なのかもしれない。

どちらにせよ私は私の感じ方しか知りえないのだけど、この、どちらにせよという言葉を結論に持ってきたところで、問題として発せられた私のこの想いというものが消えるわけではない。私は周囲からどう思われるかということを本当に気にしているのだろうか。それともたんに、この世間というものでうまくいかない自身の生活について嘆いているのだろうか。

あの子は私と同じように考えるのかしらとふと考えてみる。あの子にもきっとあの子自身の悩みがあるだろう。問題意識あるのだろう。それは私と同一では、おそらくない。

今日私は、あの子に声をかけた。あの子はうつむいたまま喋っていた。