完璧なキスと小さな女友達の話

僕は夢を見ていたのかも知れないって、幼少の頃を思い出しながら考える。

たぶん僕は手に入れてしまったから、今さほど望んでいないのだと思う。僕には幸せなときがあって、その時の幸せで幸せなんだと思う。何を言っているかと言えば、恋愛とか異性の話だ。

こんなことを言うと恵まれた人間なんだと思われるかも知れないし、そんなふうに思われるのはちょっと嫌だけど、僕には望んでいたことが、何となく叶ってしまうという人生の決まりのようなものがある。

僕が無意識に、あるいは意識的にでも、願うことは大抵のことがそのとおりになった。

そのことに自覚的になってからすぐ、僕はその幸せな人生の仕組みに何となく気がついた。僕が望むことって、時間が過ぎれば叶うことだったのだ。

それは僕の性格とか人格とかっていう傾向の問題なんだと思う。こんなふうになりたいっていう願望を持つと、少しずつでもそれに近づく。手をまっすぐ前に上げて、重い重いと考えると少しずつ下がってきたり、そういうのと同じようなことだ。

だから僕は今も淡い希望を持って生きているし、それがいつか叶うだろうと思って生きてる。ほんとは、それを目標に一生懸命頑張れればいいんだけど、そんなにうまくはいかなくて、こんなことだと、これからは若さも失っていくし……。

そんなふうに暗く考える最近です。

まったくキスとは関係のない話だけど。