レシピ

私の家では、両親のことはパパ・ママと呼ぶ。中学生くらいにはもう父親のことはオヤジと呼んでいたけど、母親のことは何て呼ぶか決めかねていた時期が長かった。

とはいえ母親を呼ぶ機会なんてそうない。外では「母親」とか呼んでいたし、家族内では名前にちゃん付けとか、あれとかそれとかって呼んでいた。

ふと思い出したんだけど、幼少の頃は「パパさん・ママさん」と呼んでいたような気もする。

それで最近はもう、どうせマザコンであるし雰囲気出してママで統一していこうという気持ちになってて、我ながら気持ちが悪いと思う。だけど気持ちの悪さより、「おふくろ」と気取って呼ぶ方が何だか居心地が悪い。母親をお袋と呼ぶことに気取ったところがあるのかって疑問に思う人もいるかもしれないけど、正直お袋だなんてドラマでしか聞いたことがない。

それで、母はレシピを見ない。そして料理の味付けはランダムだ。比較的薄味(味がないことがある)だけど、まれにしょっぱいこともある。まぁ塩味の強さは好みが別れるところだからいいとしても、旨みみたいなものにあまり頓着が無いのは正直きついものがあった。

そのおかげで僕に、化学調味料を一切使わないという信念を貫く時期が生まれた。たぶん半年か一年くらいだったけど、その後はそんな事忘れて、化学調味料(あるいはそれを含んだ調味料)の手軽さに感動している。

母にレシピを見ろと言ったことがあるが、めんどくさいから嫌だと言われた。僕もめんどくさいからレシピをあまり読まない。料理は失敗しなければよくて、僕は比較的自分の失敗に寛容だから、あまり食べられない物を作ってしまうことはない。

先日作ったハンバーグもいっさい分量というものを考えなかった。存在する挽肉の量と玉ねぎに合いそうな量の調味料を使った。薄味で舌が慣れていると、とりあえず薄く作っておいて、後でタレや調味料でなんとかすればいいという考えになる。もちろんこれには問題があると思う。詳しくは知らないけど、料理番組で肉や魚を使うとき、だいたい下味を付けることからも分かるように、調味料の使いどきというのは大事なことなのだ。

料理の話をしていたらステーキが食べたくなってきた。週末はステーキにする。